なぜ長短金利の逆転は景気後退のサインとなるのか?

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景気後退懸念が強まった理由とは?

縦軸に最終利回り、横軸に債券の残存期間を取ったグラフ上に、(同一発行体の)債券の最終利回りと残存期間に対応する点をつないだ線をイールドカーブ(利回り曲線)といい、代表的なものが「国債イールドカーブ」です。残存期間の長短による利回り格差を分析する際に利用します。

通常、長期金利は短期金利を上回っており、イールド・カーブが右上がりの曲線となっている状態を順イールドといいます。逆に短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブが右下がりの曲線となっている状態を逆イールドといいます。イールドカーブはマーケットの将来の金利予想が反映されています。

引用元:https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/i/J0220.html

景気後退懸念が強まっている理由は複数ありますが、以前“炭鉱のカナリア”について書いた記事でも触れたように長短金利差も景気水準を測るのに大きな役割を果たしています。投資においては過去の歴史を繰り返すとしばしば言われることが多いのでそれを参考にしたいと思います。まず、“なぜ米国長短金利差が注目されるのか?”についてですが、それは過去の歴史の中で逆イールドカーブが発生した(短期金利が長期金利を上回る)際には、その11ヶ月〜25ヶ月後を目安に景気後退が訪れているからです。なので、過去の事例より長短金利差の縮小・逆イールドカーブの発生は景気後退の入り口として懸念されているということになります

逆イールドカーブが発生したことで金融市場を取り巻く環境は大きく変化しているので、そちらについても簡単に押さえておきましょう。FRBのパウエル議長の利下げ発言を引き出したこと・株式市場をはじめとしたリスク資産からの資金流出(安全資産への移行)・出来高減少などが挙げられます

逆イールドカーブの発生が景気後退を引き起こす理由とは?

先ほども申し上げたように、投資の世界では“歴史を繰り返す”と言われることが非常に多いです。その1つとして、長短金利差の縮小・逆転が景気後退の引き金になる傾向にあるのですが、ではなぜ逆イールドカーブが景気後退懸念を引き起こすのか、その理由について簡単に解説していきたいと思います。まず前提として、通常は長期金利が短期金利を上回る(順イールドカーブ)理由について理解しておく必要があります。

金利変動に伴う債券の価格変動リスクが高く、資金 回収までの期間が長いので、そのリスクに見合った利回 りが求められるためです。しかし、市場が将来の景気後退 を予測することで、短期金利よりも市場の影響を受けや すい長期金利が低下すると、逆イールドが発生します。つ まり、逆イールドの発生は将来の景気後退観測が市場か ら発せられていることを意味し、それ故に景気後 退の兆候とされているのです。

引用元:http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/1811_b.pdf

金利変動要因は複数存在していますが、基本的な考え方としては短期金利は各国中央銀行が決定する政策金利の影響を強く受けるのに対して、長期金利は市場参加者による将来的な見通しに左右される傾向にあります。つまり、長期金利の低下(逆イールドカーブの発生)は将来的な見通しの悪化を意味している側面が強く、これが長短金利逆転が景気後退懸念を引き起こす要因の1つになっています

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