【相場の爆上げに発狂】リスクオン相場はまだまだ終わらない可能性が出てきたことについて

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【ポンド高が止まらない】大きな要因としてイールドカーブが関係している?

米国債イールドカーブ、2015年以来の急傾斜-英中銀が後押し
4日の米国債市場で、市場関係者が注目する5年債と30年債の利回り格差が一段と広がり、2015年10月以来の大きさとなった。

今回はこちらの記事「米国債イールドカーブ、2015年以来の急傾斜-英中銀が後押し(Bloombergより)」を取り上げていきたいと思います。こちらの記事内容はおそらくほとんどの為替トレーダーにとって関心が高いものに…というのも先日のポンド(GBP)高騰が密接に関係しているからです。

先日の木曜日に急速にポンド高となりましたが、木曜日に出たポンド関連材料は「英中銀(BOE)政策金利発表」と「英中銀金融政策委員会(MPC)議事録公表」になります。まず、日本時間21時に発表された政策金利は0.1%(予想:0.1%)と据え置きとなり市場への影響は限定的であったと考えるのが妥当かと思います。

つまり、ポンドの上昇要因となったのは金融政策委員会からの発表になるわけですが…こちらの内容については既にご存知の方も多いと思いますが念のためこの場で改めて解説していきたいと思います。結論を書くと「マイナス金利導入時期が先延ばしになる」といったものになります。

【リスクオン継続懸念】マイナス金利導入時期後退で株・為替の上昇はさらに上昇する?

Yahoo!ファイナンス
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こちらの記事(参照元: Yahoo!ニュース)に大まかな内容が書かれていますので、こちらの材料について知らなかった方は参考にしてみてください。今回ピックアップしたのは別の記事ですが…この材料を素直に受け取ることが出来ない理由もあるので、まずこちらから解説したいと思います。

その理由は大きく分けて2つ存在しており、「コロナウイルス変異種の拡大懸念」と「マイナス金利導入可能性がなくなったわけではない」ということになります。最初に後者から触れますが…記事内をまとめると「すぐにマイナス金利を導入する可能性は後退したものの、市中銀行に対してマイナス金利導入準備をしておくこと・マイナス金利導入には少なくとも6ヶ月はかかること」などといった文字通りの解釈をすることが出来ます。

しかし、視点を変えると「半年後以降にマイナス金利導入の可能性がある」「半年以内にマイナス金利導入の可能性もあるのではないか?(想定外の事態で)」という要素について考えることが出来ます。前者については文字通りなので良いと思いますが、後者についてはどうでしょうか。

記事では「マイナス金利導入は最低でも半年後だ」と書かれているのに「いや半年以内にマイナス金利を導入する可能性もあるでしょ」と反論しているわけです。しかし、そのようなことが起こると擦れば想定外の事態に陥る必要がありますよね。その“想定外の事態”こそが先ほど触れた“コロナウイルス変異種の感染爆発”であるということです。

僕は日頃から「相場が今後上がるか/下がるかという観点で分析するのは無意味で、動き出してから後出しジャンケン的な感じでエントリーするべき」「相場が動く前にすることは、その後のシナリオを複数考えておくこと」などと言っています。

つまり、今回の議事録公表前の段階で「マイナス金利導入時期が後退してポンドは上がるはずだ」と考えてポンドのロングポジションを仕込んでおくことには大きなリスクが伴う(ほぼギャンブル)ということです。そうではなく、「マイナス金利導入決定」と「導入延期」という2つの柱でシナリオを考えるべきですよね。

今回は「導入延期」という決定がなされたためポンドは上昇しましたが、その次に考えることは「導入延期となった背景や今後の動き」をシナリオ化するということです。つまり、「結果が出る→あらかじめ考えたシナリオ通りにエントリー→今後のシナリオを立てる→結果が出る→以下略」という連続になるのが正解ですよね。

新型コロナウイルス変異種については英発祥だと言われていますが…日本にもわずかですが感染者が出始めています。そしてちょうど昨日、日本国内で変異種のクラスターが発生したというニュースが出るので簡単に紹介したいと思います。その前に、以前「従来のコロナウイルスと変異種の比較」に関する記事を書いているので、まだ読んでいない方は目を通してみてください。

【金融市場崩壊第2弾】コロナウイルスの突然変異でどうなる世界
ヨーロッパで新たにコロナウイルスの変異種が確認された。数ヶ月以内にアメリカへ本格的に上陸し…世界各地で再びロックダウンへ?今後の金融市場のシナリオについても考えてみた。

【クラスター発生】コロナウイルス変異種がついに日本国内で集団感染を引き起こしたという事実

変異ウイルス感染、埼玉で11人 英国での滞在歴なし:朝日新聞デジタル
 埼玉県は5日、英国で報告された新型コロナウイルスの変異ウイルスに、県内の10歳未満から60代の男女11人が感染していたことが判明したと発表した。11人に英国での滞在歴はなく、不特定多数との接触もない…

こちらの記事は「変異ウイルス感染、埼玉で11人 英国での滞在歴なし(朝日新聞digitalより)」というものになります。こちらの感染者は同施設を使用しており、年齢も10代から60代までの幅広い年代での感染が確認されています。

従来のコロナウイルスもまだまだ収まってはいませんが…緊急事態宣言後に感染者は減少傾向にありましたが今後はこの変異種が感染拡大を引き起こす可能性は十分に考えられます。このような事態に陥った場合に「従来のウイルスと同じ対策で良いのか」「ワクチンの効果」「感染経路や感染力の違い」など新たな問題が出ることになります。

今回のクラスターによって感染した10人余の濃厚接触者は50人以上に上りますし、こことは別で確認された変異種の感染者についてはその家族への感染も確認されています。従来のウイルスについても最初は数人程度の感染から現在の感染者を生み出しているので…変異種によって同じようなことになる可能性は捨てきれないですよね。

【2015年以来の高水準】欧米諸国は景気回復に向けて大きな追い風が吹いた

英ポンドの上昇要因について書いていくはずが大分遠回りをしてしまいましたが…ここからは本題に戻って最初にピックアップした記事について触れていきたいと思います。先週のポンド高については先ほど書いたような背景がありましたが、この他にも国債利回りにもある変化が訪れています。

記事タイトルは「米国債イールドカーブ…」となっていますが、記事を読んでもらうと分かるように米国債利回りについてはイギリス国債の影響を受けている部分も大きいので本日はイギリスに関する記事にしたいと思います。

4日の米国債市場で、市場関係者が注目する5年債と30年債の利回り格差が一段と広がり、2015年10月以来の大きさとなった。利回り格差は一時147.7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大した。

イールドカーブ(利回り曲線)のさらなるスティープ化は、英債券市場主導でもたらされた。新型コロナウイルスワクチン接種が英国で精力的に進められる中、イングランド銀行(英中央銀行)は同国の景気が急回復に向かうとの見解を示した。年限が長めの英国債はこれを受けて軟調となった。

引用元:Bloomberg

まず「イールドカーブ」という言葉自体初めて聞いたという方もいるかもしれませんが…これは「残存期間の異なる債券利回りの差を表した曲線」のことを指します。イールドカーブにも2種類の形が存在し、曲線が右肩上がりの状態(残存期間までが長いものほど利回りが高い状態)を順イールド・右肩下がりの状態を逆イールドと呼びます。

これは景気を占う先行指標のようなものになりますが…参考までに、長短金利を適切な水準に調整することをイールドカーブコントロールと言います。順イールドは好景気下で見られる現象であり、逆イールドは景気後退局面で起こる現象になります。

今回の記事で書かれている内容としては「長短金利差が2015年以来まで広がっている」というものであり、さらにその傾きが「steep(急勾配)」状態にあるという内容が書かれています。今の金融市場は実体経済とはかけ離れる形で高水準を保っていますが、ここに来てまさかの追い風が吹いたということになります。

今後については…先ほど紹介した複数のリスクがあるのでシナリオを用意しておく必要がありますが、少なくともこのデータは金融市場の現状を裏付ける要素の1つになっていますよね。ちなみに、今のリスクオン相場はリーマンショック時の教訓を活かしているという側面もあることを忘れてはいけません。

【シカゴ投機筋ポジション】リスクオン相場は限界突破をしているのか否か問題について

最後にこちらのチャートから…相場を大きく動かす投機筋と呼ばれるもののポジション変化について見ていきたいと思います。このデータは為替相場の長期トレンド(全体像)を把握する上で役立つので、気になる方はこちらからご確認ください。

こちらは投機筋が保有するポンド(対米ドル)のポジション変化を棒グラフで、それに重ねる形でポンドルチャートを載せているものになります。まず現在の状態を見ると若干ポンドのロングポジションが先行している形になります。

先週の相場でドル円の日足チャートでトレンド転換が確認出来ましたが…その際にクロス円通貨は若干下落しており投機筋のロングポジションも減少しているのがわかります。このグラフとチャートの関係性で気持ち悪いのは…「過去にも今と同じくらいロング先行していたことは複数回あるけど為替水準が釣り合っていない」ということです。

このことからは2つのシナリオを考えることが出来て、それは「ポンドが異常な水準にある」ということと「今はまだポンドロングポジションの増加過程でさらに相場が跳ね上がる可能性がある」ということです。前者の場合はリスクオフで後者はリスクオン加速となりますが…ここまで書いたように今後のシナリオは両方のパターンが考えられますよね。

この後にどちらのシナリオで進行していくのかについては「長期チャートの節目での攻防(テクニカル分析)」「コロナウイルス」「マイナス金利導入時期」という3つの柱を見ていかなくてはいけません。テクニカル分析については今すぐに出来ますが、後2つについては結果は出ていません。

リスクオンが継続するのであれば「景気回復に進む・マイナス金利導入時期が大きく後退する」という記事通りのシナリオで進むことが要素になります。反対にリスクオフへの転換が見られるのは「変異種の感染爆発」から歯車が狂った際になりますよね。

今回は現在のポンド高相場に関連する記事を書いてきましたが…正直まだまだ不確定要素はかなり多いのが現状なので、新しい結果が出るたびにこちらでも記事にしていきたいと思います。

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