はじめに

株式投資・FX(為替)・仮想通貨、いずれの取引においても様々な取引手法があります。例えばテクニカル分析やファンダメンタルズ分析など。今回はその中のテクニカル分析をするにあたり必ず押さえておかなくてはならないことについて書いていきます。投資家の中にはテクニカル分析をする人が多いと思いますし、私もその1人です。今日では短期間で利益を積み重ねていくデイトレード・スイングトレードというものが主流になってきたと感じており、そのためにはチャート分析は必須になります。そしてそのテクニカル分析と呼ばれるものの多くがチャールズ=ダウが考案した理論に端を発しているのは明らかですので、このダウ理論というものを今回理解していただきたいと思い記事にすることにしました。

「ダウ理論」という言葉を聞いたことがあるかどうかは別として、今日の株式トレーダーや証券アナリストの大半がこの考え方を受け入れ、また今ではAIによるアルゴリズムトレードなどあらゆる手法が存在しますが、ダウ理論はそれらテクニカル分析の基礎として普遍的な地位を築いていると考えて間違いないかと思います。

ダウと聞いて、なんか聞き覚えあるなと思った人は多いのではないでしょうか?NYダウですね。チャールズ=ダウは1884年に9種の鉄道株と2種の工業株からなる株価指数の発表を行いました。そして1897年には12銘柄からなる工業株指数と20銘柄からなる鉄道株指数を開発しています。なぜ工業株と鉄道株からなるものを考案しているのかというと、それらはアメリカの経済状況をよく反映していると考えられたからです。1928年には工業株指数の銘柄数は30銘柄に増えそれが今のNYダウ工業株指数になります。ダウ理論には大きく分類して6つの基本理念の柱から成り立っています。

  1. 平均株価は全てを織り込んでいる
  2. 3つのトレンドが存在する
  3. メジャーなトレンドには3つの局面が存在する
  4. 2つの市場平均を確認すること
  5. 出来高でトレンドを確認すること
  6. トレンドは明らかな反転シグナルが出るまで継続する

ではここから、1〜6の基本理念の解説をしていきます。今回のダウ理論の習得を今後の投資の基礎としてあらゆる場面に応用していただければ幸いです。

1.平均株価は全てを織り込んでいる

株式市場での取引の総体と傾向を見れば、ウォール街にある過去・目先・先行きに関するあらゆる知見がほぼ織り込まれていると分かる。一部の統計分析者がしているように、市場平均にコモディティ指数や銀行決済額や市場の変動率や国内外の取引量などを熱心に取り寄せて追加する必要はまったくない。なぜならウォール街は、これらの情報をすべて知ってしまっているからだ。

引用元:「ストック・マーケット・バロメーター」

チャートはどのような要因によって動かされているのかを考えて下さい。大前提ではありますが、買う人が増えれば株価は上昇し、売る人が増えれば株価は下落していきますね。つまり、株価変動要因は需給関係が全てであるということになります。また、何が織り込まれていて何がそうでないのかが非常に重要になります。例えば決算発表。好決算だからと言って株価が高騰するとは限らないのは、既にその情報を市場が織り込んでいる可能性があるからですね。これとは反対にリーマンショックはどうだったか。これに関しては市場は織り込んでおらず、その後の大暴落を引き起こしています。しかしながら、株式市場はリーマンショックでさえも直ちに織り込んでチャートに反映させているんですよね。個別銘柄であっても市場平均であってもです。

2.3つのトレンドが存在する

ダウによる上昇トレンドの定義は「前の上昇で付けた高値よりも今回の上昇で付けた高値の方が上回って引けており、また、前の上昇で付けた安値よりも今回の上昇で付けた安値の方が上回って引けている」ことであり、下落トレンドに関してはこれの逆にあたります。具体的にイメージ出来るようにチャートを用意したのでご確認ください。

SBI証券より

こちらはアマゾンドットコム(AMZN)の週足チャートになります。オレンジ色の丸で示しているのが節目の高値、水色の丸で示しているのが節目の安値になります。高値は4箇所ありますが、いずれも前回の水準を上回っていますし、安値についても前回水準を上回って引けていますね。これが上昇トレンドの継続部分になります。なぜ4つ目の安値を示せなかったのか。それについてですが、前回安値を下回っており、これがトレンドに変化の起こるタイミングとなるわけです。下落トレンドのチャートは掲載しませんが、これと全く逆の動きをしている銘柄を探してみてください。このように見るだけでもトレンドの変わり目などは分かりやすいかと思いますので、基本であるこの部分は押さえておいてください。

見出しにもある「3つのトレンド」について最後に簡単に触れておきます。3つのトレンドとは、メジャートレンド・インターメディエートトレンド・マイナートレンドに分類することができます。以前もこれに関して触れたことがあるかと思いますが覚えていますでしょうか?トレンドの変化とはスパンの小さなものから大きいものへと移り変わっていく傾向があると書きました。具体的にいうと、週足チャートでは上昇トレンドでも5分足チャートを見たら既に下落トレンドに移り変わっているかもしれないということです。完全にトレンドが上向いている状態というのは短期・中期・長期チャートの全てが上向きであることで間違いありません。しかし、長期チャートでトレンドに明確な変化が起こる遥か前に短期チャートは既に動き出しているんですね。トレードでは他のトレーダーよりも早く動き出すことが必須ですので、あらゆる相場を見比べていち早くトレンドの変化に気づけるようになってください。

3.メジャーなトレンドには3つの局面が存在する

メジャートレンドとは先ほど申し上げたように大きなトレンドを示しています。中には長期移動平均線(200日移動平均線)を目安にして、上向きなら機関投資家が買い支えている上昇トレンド、下向きなら下落トレンドと判断している人もいるかもしれませんね。しかしそれでは遅すぎる。200日移動平均線を見たことがある人なら分かるはずですが、このラインの傾きが変化するにはかなりの時間がかかりますよね。なので、このラインを基準にしてエントリーしているなら効率的な資金運用とは言い難いです(30年かけて1億円稼げれば良いなら別ですが…)。なのでメジャートレンドをさらに3分割して考えて見ましょう。メジャートレンドは、アキュミレーション・パティシペーション・ディストリビューションの3つの局面に分類されます。アキュミレーション局面での考え方は、直前が下落トレンドであるならばそれは市場が悪材料を全て織り込んだタイミングであると考えることです。よく「周りが売ってる時が買い、買ってる時は売り」と聞きますが、これを体現しているのがアキュミレーション局面での考え方になります。このレベルでの取引をするにはかなり敏感なアンテナが必要になり個人投資家にはなかなか難しいものがありますね。続いてパティシペーション局面での考え方を一言でいうとトレンドのフォローです。この段階に達して初めて大口投資家・テクニカルアナリストの参入があり相場に大きな変化があります。最後にディストリビューション局面では、メディアでの報道なども活発化し個人投資家が多く参入してきます。ここまで読んで見てお分かりでしょうか、最後の局面ではアキュミレーション局面での参加者が売るタイミングにも重なってくるわけです。株式投資において勝てる人が1割未満だと言われるのはここの要因が大きいのかなと個人的には考えています。

4.2つの市場平均を確認すること

ここは簡単に説明して終わります。2つの市場を確認するとは、国内市場であれば日経平均株価とTOPIX、米国市場であればNYダウとNASDAQになりますね。チャートには一次的な上昇などトレンド転換は無いのにもかかわらず市場が大きく反応することがあります。明確なトレンド転換を確認するには両方のトレンドが変化する必要があるということです。正直今の市場では連動することが多いので、片方が動けばもう片方もという流れなのであまり重要視するポイントでは無いかもしれないですね。

5.出来高でトレンドを確認すること

これは前回で使用したチャートをそのまま持ってきました。NYダウの週足チャートになります。今回はチャートに引いてあるラインに関しては無視してもらって構いません。出来高でトレンドを確認するとは…。上昇トレンドの場合、トレンドが継続するのであれば上昇トレンドの場合は価格上昇に伴って出来高の増加が見込まれ、下落トレンドの場合は価格下落に伴って出来高が増加します。なので、株価は上がっているのに出来高の増加幅に疑問を持ったらトレンド転換が近いかもしれないということです。前回の話と重なりますが、このNYダウのチャートの場合は同じ水準に3度達しているのにも関わらず、出来高は右肩下がりになってきています。上昇トレンドであるけれども買いが薄くなってきていてトレンド転換が近いのではないかと推測できるわけです。出来高には騙しがないのでトレンドの強弱やトレンド転換のシグナルを探すツールとして非常に役立ちますね。

6.トレンドは明らかな反転シグナルが出るまで継続する

これに関しては先ほども似たようなことを書きました。上昇トレンドの例でアマゾンの週足チャートを見ましたが、明らかな反転シグナルとはあのチャートで言うならば安値の切り下げです。それまでは前回の高値・安値を上回って引けていますが、最後にはその水準を割り込んでいます。そのようなことが起こらない限りはトレンドが継続するという考え方になります。NYダウの記事でも書いたヘッド・アンド・ショルダーや先ほどの出来高も同様です。トレンドはそのようなシグナルが出ない限り同じ方向に継続する、つまりこの理論を理解していれば早すぎる利確・遅すぎる損切りの回避にも繋がりますね。

終わりに

本日はテクニカル分析の大元になっているダウ理論についての解説を行ってきました。これに関してはテクニカル分析で知っていて当たり前のものになりますので、必ず復習しておいてください。小さい利益を積み重ねたのに1回の大損で相殺されたとか、もっと利益が取れたはずなのにとかいう論外レベルのミスを少なくするきっかけにもなると思います。

最後に、昨日ホームページの管理人からも更新がありましたが、この記事の更新通知を受け取り方は記事下にある部分からメールアドレスの登録が可能になります。◯時に必ず更新すると決めているわけではないですが、記事はできるだけ新鮮なうちに読んでいただきたいのでこのようなものを設けました。

では本日は以上になります。