テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の比較と実例

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テクニカル分析とファンダメンタルズ分析

投資には2つの分析手法があり、人はそれらをテクニカル分析・ファンダメンタルズ分析とそれぞれ呼ぶことで分けています。これらの手法は正反対の分析といっても過言ではありません。世の中にはファンダメンタルズ分析を好む者、テクニカル分析を好む者がいます。私個人的にはどちらの分析手法が優れているのか、正確には合理的なのかについては結論が出ているので参考程度に読んでいただけたらと思います。

テクニカル分析は市場の動き:需給関係に重点を置くものであり、これはチャート分析にあたります。もう一つのファンダメンタルズ分析は株価や為替の変動要因となっているものについての分析のことを言います。

ファンダメンタルズ分析の分かりやすい例えで言うとPERやPBRではないでしょうか。よく投資に関する参考書を読むと「PERは10倍以下で割安の判断材料となる」「PBRは1倍以下だと割安の判断材料となる」などと書いてあることが多いです。つまり、これらや他には企業の業績などを分析した結果が市場価格よりも高ければ過小評価されている(割安)と考え買いに繋がり、反対に分析結果が市場価格よりも安ければその銘柄は過大評価されている(割高)と判断して売りに繋がるわけです。

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析はしばしば対立していますね。上の例で。PERが10倍以下であることは確かに割安なのかもしれません。しかし、日頃からチャートの分析を行いテクニカル分析を好むトレーダーはこのように思います。「PERが低いのは成長性が低いことの証明であり、それがチャートに現れている」と。つまり、チャートを分析した結果、人気のある銘柄は買われ、そうでないものは売られるというサイクルでチャートが反映している、つまりチャートはそれら全てを織り込んでいると考えられます。

しかし、テクニカル分析もファンダメンタルズ分析も同じ目的を持って行われているということは覚えておかなくてはなりません。分析手法や物を見る角度は違ったとしても、どちらも対象物の価格がこの後に上がるのか下がるのかを予測するという点においては全く同じです。

よく言われるのが、ファンダメンタルズ分析は株価変動の原因を探り、テクニカル分析では結果を求めるということです。例えば株価が大きく上昇しストップ高になったとします。ファンダメンタルズ分析を行う者は「なぜこんなに上昇したのか(好決算発表なのか、他の好材料なのか)」を分析する傾向にあります。他方のテクニカル分析では株価がストップ高になった、つまり大きな買いが入ったという事実にフォーカスします。

株式投資なら決算発表、FXなら重要指標の発表などがありますね。ファンダメンタルズ分析でなくてもある程度の想定はすると思います。例えば「今回の雇用統計は前回よりも…」みたいな感じです。しかし、決算発表にも同じことが言えますがこれらを考えたところでナンセンスではないかと個人的には考えています。それは市場予想(コンセンサス)の存在です。好決算がほぼ確実に決まっていても市場が過度な期待をしていればそれを下回る可能性がありますし、経済状況は市場予想と比較したらそんなに悪くはなかったなんてことも非常に多いです。じゃあどうするんだと思うかもしれませんね。結論から申し上げると、それらは全てチャートが織り込んで新たなチャート形成に向かいます。つまり、市場予想よりも悪ければ下がるし、予想以上に業績が良ければ株価は上昇が見込めます。つまり、株価変動の要因を考えることが重要なのではなく、結果が全てだということです。

ここまで読んでいただけたら投資は非常にシンプルなものであると確信が持てるはずです。時間をかけて予想をしたとしてもそれらは一瞬のうちに打ち砕かれる可能性がありますが、チャート分析を行なっていれば結果を全て織り込む、需給関係が全て分かるんです。つまり、私が何を言いたいのかと言うと…

「テクニカル分析を勉強せよ」

ということになります。テクニカル分析といっても非常に多くの指標が存在してどれにすれば良いか分かりませんよね。移動平均線であったり一目均衡表であったり…。これに関しては自分自身で色々と試してみて使いやすいものを見つけると良いです。もちろん、どの指標にもメリットもあればデメリットもあります。それも含めて試行錯誤しながら自分に最も合っているものを使ってください。もちろん、正解はありません。

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指数チャートをテクニカル分析の観点から考察

以前に何度か記事にしている日経平均株価とNYダウ指数のチャート分析について振り返ってみましょう。既に読んでいただいている方も多いですが、その頃に書いたことは今どうなっているのかも一緒に見ていきましょう。その記事が以下の通りです。

NYダウに関する記事
日経平均株価の予想シナリオ

ちなみにこの時の水準は…日経平均株価は22000円、NYダウは26000ドルをそれぞれ少し上回っていました。この記事では、日経平均株価ではヘッド&ショルダーを、NYダウではトリプルトップを形成しており今後暴落リスクがあるといった内容です。

この記事を書いた際には正直いってあまり反響はなく、アクセス数に関しても何とも言えない状態でした。理由としては、かなり高い水準だったので投資家の方々は市場に対してかなりポジティブな印象を持っていたのではないでしょうか?なので、目先の好調さで周りが見えなくなっており、私の書いた記事に関してもそれほど注目が集まらなかったんだと思っています。

ところが現在の2つの指数水準はいかがでしょうか?日経平均株価は本日の終値が約20600円、NYダウは昨日の終値で約25170ドルとなっており、記事を書いた1ヶ月前と比較するとそれぞれ約1500円、約1000ドルの下落となっているという結果があります。

幸いなことに、徐々に下落はしているものの未だネックライン付近での攻防が続いているので大暴落レベルの下げは来ていません。ですので、今ここで指数水準を再確認していただいて今後に備えてください。指数の分析に関しては前回同様テクニカル分析の観点から見ていきたいと思います。

日経平均株価週足チャート

まずは日経平均株価から見ていきます。チャートには黒線と2種類の青線(実線・点線)を加えています。まず黒線に注目してください。今はまだ完全に三尊を形成しておらず、徐々に完成に向かっている段階になります。黒線は三尊のネックラインであり、こちらを割り込むことで大幅な下落が予想されるのでこの付近での攻防にはかなりの警戒が必要になります。

最近は株価が下落傾向にあるけどトレンドは本当に変わるの?と疑問を持っている人も少なくないかもしれません(これだけのチャートを形成しているのにも関わらず)。そこで注目していただきたいのが2種類の青線になります。

基本的な考え方として、株価が上昇すれば出来高もそれに伴い増加します。もちろんその反対についても然りで、株価が下落している時には出来高は減少傾向にあります。ところが、このチャートは一箇所変なところがあるんですが…それが青色の実践で示した部分になります。はじめに点線部分を見てください。株価と出来高量が比例しており自然な動きと言えます。次に実践部分に注目してください。株価は大きく上昇している期間であるのにも関わらず出来高は減少傾向にあります。

トレンドの転換点ではしばしばこの動きが見られます。これに加えて三尊の3つの頂点とその時の出来高を確認して見てください。3つの頂点はどれも同じ水準まで上昇しているのにも関わらず出来高は回を追うごとに少なくなっているのが分かりますね。以上を踏まえると日経平均株価チャートでは確実に異変が起きていると言えますね。では続いてNYダウのチャート分析に移っていきたいと思います。

NYダウ指数の週足チャート

こちらについても基本的には先ほどの日経平均株価と同じことが当てはまりますね。黒線はトリプルトップのネックライン水準で、現在はその水準に向けて徐々に下げている状態にあります。日経平均と同じくトップは同じ水準までの上昇をしていますが、出来高は減少傾向にあるのでやはり天井が近いのではないかという考えに変化はありません。

ここまでで、日経平均とNYダウのチャートを分析することで今後のリスクについては把握することが出来たと思います。実際に株価が下落傾向にあることを念頭に置いて、現物取引であれば無理に取引をすることはないと思いますし、リスク管理は慎重に行うことを推奨します。

まとめ

今回の記事ではテクニカル分析とファンダメンタルズ分析の違いについて書いた後に、日経平均株価とNYダウ指数のチャート分析を行いました。簡単に振り返ると、ファンダメンタルズ分析は価格変動要因について分析を行うものであり、テクニカル分析は結果を重要視するものです。これらの比較として、個人的にはテクニカル分析の方が合理的かつ有効であること、投資においてはよりシンプルな方法が実は結果に結びつきやすいことにも触れて来ました。

テクニカル分析の例として、日経平均株価とNYダウのチャートの分析を行いました。今回はチャートと出来高を比較したシンプルな分析に留めておきましたが、チャートに用いる指標については先ほども書いたように自分自身に最も合っているものを見つけてください。

テクニカル分析は一見簡単なようにも見えますが非常に奥が深い分析手法になります。しかし、こちらの手法についてマスター出来ると、株式投資だけではなく、為替・先物・仮想通貨などあらゆる市場に対応することが出来るので手元に1冊だけでもバイブルのようなものを置いておくと良いですね。では今回は以上になります。

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