【ECB】“金融政策による景気支援”への解釈が生死の境目になる

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ラガルド総裁による“二番底の示唆”で金融市場は再びリスクオフ相場へ

ラガルドECB総裁、二番底の公算示唆-金融政策は現状維持
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏経済は2020年10-12月(第4四半期)に恐らく縮小したと語った。ユーロ圏がリセッション(景気後退)の二番底に向かっていることを意味する。

今回解説していくのはこちらの記事「ラガルドECB総裁、二番底の公算示唆-金融政策は現状維持(Bloomberg参照)」というものになります。この記事を取り上げようと思った理由は“景気の2番底”の可能性があると話したからです。

これが現実になるとすれば…おそらくそれに見合う株式水準・為替水準に落ち着くはずで、そうなるとファンダメンタルズ要因による金融市場の大暴落も起こる可能性が出てきます。今回の話が出なくとも株式市場・為替市場が大きな下落相場を迎える根拠は整いつつあるので、今回はそれらについても触れていきたいと思います。

上のパラグラフで「それに見合う株式水準・為替水準に落ち着くはず」と書きましたが…これについて若干の補足を加えておきます。今のような超リスクオン相場では株式指数・クロス円通貨の爆上げが目に留まりますが、このような相場で「このまま一生上がり続けたらどうしよう」と思うかもしれません。一言で言うとそれは気のせいで、必ず金融商品はそれぞれの適正価値に収束します。

もちろん、今が好景気の絶頂で今の値動きが妥当なものであれば更に上昇する可能性はあります。しかし、少なくとも現環境はそれには該当しておらず、むしろこの期間に投資を始めて幸運にも利益が出てしまった人は今後苦労しますよね。逆に今回の上昇相場に違和感を感じてエントリーしなかった人は…これから長いこと相場で生き残れるような気がしますよね。

【知らなきゃ退場】金融市場が大暴落する根拠は2つある

これから金融市場に暴落相場が発生する根拠は大きく分けて2つあると思っています。というよりもこの2つのうち1つ目の根拠が“大規模なトレンド転換を発生させる引き金”になり、もう1つの根拠が“下落相場を加速・拡大させる”と個人的には考えています。

株式市場も市場最高値を更新し続けたり、為替相場についてもコロナショック後のクロス円通貨の回復には驚くべき力がありました。このような超強気相場をひっくり返すとなると相当大きなファンダメンタルズ要因が必要な気もしますが…安心してください簡単にひっくり返ると思います。

では、ようやくこの“2つの根拠”について言及していきたいと思います。まず1つ目は「新型コロナウイルス変異種の感染拡大」です。こちらが先ほど述べたうち“大規模なトレンド転換を発生させる引き金”になる方です。コロナ変異種に関する記事は数日前に書いているので、まだ読んでいない方は参考までに目を通してください。

【金融市場崩壊第2弾】コロナウイルスの突然変異でどうなる世界
ヨーロッパで新たにコロナウイルスの変異種が確認された。数ヶ月以内にアメリカへ本格的に上陸し…世界各地で再びロックダウンへ?今後の金融市場のシナリオについても考えてみた。
コロナショック相場でも“誰でも絶対に勝てた”と言い切れる訳とは
コロナウイルス変異種が感染爆発を新たに起こす可能性があります。そうなれば金融市場は再び混乱…でも1年目のコロナショックから学べること・活かせることが多いので解説してみました。

コロナウイルスに関する記事は2つ書いていたので…念のため2つとも紹介しておきます。まず1つ目は「新型コロナウイルスの変異種って何?」という部分について書いたものになります。ウイルスの変異種って“どうやって生まれるのか”や“従来のものと比較した場合の感染力・感染経路の違い”など分からないことも多いと思います。トレードで勝つための記事ではありませんが、知識として覚えておくのも良いと思います。

2つ目は「コロナ相場ではどのような投資家が勝ったのか」といった内容になっています。コロナショックで資金を大きく失った人はかなり多いと思います。そして、近いうちに再び市場全体の大暴落が発生するかもしれないですよね。これから来る相場に対してどのように向き合えば良いのか、という部分について多少学ぶこともあるかもしれませんので読んでみてください。

若干話は逸れてしまいましたが…続いて金融市場を暴落させるであろう2つ目の根拠について解説したいと思います。2つ目は「実体経済と株/為替水準の乖離」であり、これが下落トレンドへ転換した後の相場を加速・拡大させる要素であると考えています。

この数ヶ月間の金融相場に感して…個人的には違和感しかありませんでした。確かにロックダウンされた世界中の都市も今では人が行き交うまでに回復していますが…状況が良くなっているというのは幻ですよね。東京も再び緊急事態宣言を出しましたが、むしろ感染者数は1回目の緊急事態宣言時よりも格段に増えているので状況は悪化していると言えます。

しかし、金融相場の価格変動だけに目をやると明らかにリスクオン相場になっており、何も知らなければただの絶好調&好景気相場のような感覚に陥ります。つまり、実際の経済状況と金融市場との間にはあり得ないほどの乖離が生じているわけなんですよね。

僕が挙げた1つ目の根拠によって世界は“あれ、もしかしてやばい?”ってことに気付き、2つ目の根拠で適正価格まで落とさせるといった流れは容易に想像が出来るんですよ。ちなみにですが…為替取引をしている人の中で、どれくらいの人が「投機筋ポジション」を確認しているでしょうか。これを見ても既に大口はリスクオン相場の出口が近いことに気付いている…というよりも無理やりリスクオン相場を終わらせにかかっていると気付くことが出来るはずですので確認してみてください。

【誤解者多発警報】ラガルド総裁発言は好材料か?悪材料か?

ここまでは…ひたすら“僕自身が考える相場”について書いてきましたが、ここからは今回ピックアップした記事の内容:“ECBのラガルド総裁が経済をどのように見ているのか”という部分の紹介・解説に移っていきたいと思います。

総裁は「第4四半期の縮小は第1四半期に流れ込むだろう」とも述べた。新たな変異種を含む新型コロナウイルスとの闘いで政府が旅行や娯楽、必須以外の店舗の営業制限を強化する中で、1-3月(第1四半期)もマイナス成長になるとの予想が増えている。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-21/QNAE60DWLU6J01?srnd=cojp-v2

この記事で重要だと思われる部分のみ抜粋して解説していきます、まずこちらは記事冒頭部分になります。この部分だけを読んで「1-3月にリセッション来るかも」「それまでにユーロのロングポジションは解消したい」などなど…色々考えることがあると思います。

何度も言うように“目に見えない情報をどれだけ揃えることが出来るか”が最も重要であり、今回の場合だと「ユーロ以外の経済圏の状況」や「ユーロの値動きの特徴」「世界全体の感染状況」などは最低限押さえないといけないですよね。

日々値動きを追っていると…さすがにユーロがリスク通貨に分類させることくらいは実感すると思います。リスク通貨同士・安全資産同士には相関関係があり、ユーロが暴落するならポンドや豪ドルも暴落します。それってつまりリスクオフ相場だから株式市場も暴落する可能性が大きいということです。

つまり、この段階でしなくてはいけないのは「下落相場がいつ始まるかを考えること」ではなく、「下落相場が来た時にどこで仕込むかを考えること」です。下落相場が来るのは大前提(当たり前)であり、長期的にみてどのあたりで仕込むのが良いかと言う長期的な水準感:シナリオを今の内に立てておくと、目先の値動きに惑わされることが無くなると思いませんか。

総裁は金融政策による景気支援は必要な限り継続されるとした上で、政府支出も続ける必要があると強調した。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-21/QNAE60DWLU6J01?srnd=cojp-v2

参考までに…ラガルドECB総裁は「ユーロの為替レートを注意深く見守る必要がある」と話しており、このことからも今の高水準にあるレートに関しては違和感を感じているようです。このように今のリスクオン相場について疑問視する声が上がっている時に素早く手を引けることが非常に重要で、これはコロナウイルスが初めて公の場で語られた際の状況に酷似しています。

そして上の引用部分に注目していただきたいのですが…「必要がある限り景気支援を継続する」と語られています。ここからだけでも今後のシナリオは2つ考えることができ…1つは「支援が継続される限りは状況が悪い」ということで、2つ目は「財政圧迫により支援を続けられなくなる」ということです。

いずれにしても「今は状況が悪すぎる」ということが読み取れなくては話にならないですよね、「支援されるなら為替も買い支えられる」と思ってる人も意外と多そうですよね。普通に読んでいるだけだと「支援継続=好材料」と捉えてしまうのは自然だと思いますが…残年ながら正解は「支援継続=しなくてはならないほど状況は深刻」だということ。以上がこの記事の重要部分の解説になりますが、このように記事の読み方1つで人によって相場観も180度違うし、それが今後のトレード成績に大きく響くことになります。

コメント

  1. […] […]

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