景気後退への突入の鍵は「株式市場の崩壊」ではなく「債券市場の崩壊」にある!?

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景気後退の引き金となるのは「債券バブルの崩壊」か?

2020年代に米経済がリセッション(景気後退)に陥る場合、その引き金として最も可能性が高いのは債券市場バブルの巻き戻しだと、バンク・オブ・アメリカのストラテジストらが予想した。トミー・リケッツ 、マイケル・ハートネット両氏を含むストラテジストらは11日のリポートで、11兆ドル(約1200兆円)余りのマイナス利回り債券の存在や約1%のオーストリア100年債利回り、記録的低水準になお近い世界の債券利回りを指摘。今後数年には、中央銀行が「ひもを押す」という「政策の無能」に陥ることが金利ボラティリティーの急上昇を招き、「最低の金利と最大の利益」という10年にわたる強気の組み合わせを終わらせると共に「資産価格のピーク」を示すだろうとストラテジストらは分析。さらに、当局が現代貨幣理論を実践しインフレ上昇を招くまで国債を発行するなどの政策ミスを犯すことも要因になると指摘した。「利回りの無秩序な上昇は、ウォール街がレバレッジを減らす際に大きな痛みを引き起こす可能性が高く」、必然的にその直後に、経済にさらなる痛みをもたらすだろうと続けた。債券市場のバブルは向こう10年の間に巻き戻すとの見通しの下で、債券バブル破裂のシナリオに対して、金融資産に代わり金や米財務省短期証券(Tビル)、実物資産を介してヘッジすることを勧めた。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-12/Q0U58BT0G1L201?srnd=cojp-v2

今回の記事はブルームバーグより「債券バブル破裂が次の米リセッションの引き金となる公算大-BofA」を紹介していきたいと思います。記事冒頭2文はもしかすると内容を履き違える人もいると思われるので、まずはそちらの解説からしていきたいと思います。「債券バブルの巻き返し」についてですが、これを考える上で欠かせないのが最近の金融市場でどのような動きが見られるのか、その現状を把握することにあります

債券バブルの巻き返しがリセッション(景気後退)の引き金になるとの見方をしているということは、現状の金利は異常なまでに低下していることを指している、まずこのことについて認識しなくてはなりません。では、「なぜ金利は低下しているのか?」ということについてですが、それについてはこれまでにも度々ブログで触れてきた「米中貿易摩擦」「景気後退懸念」「機関投資家のリスク資産からの撤退」などが原因となっています。これを裏付けるものとしては最近の株価高騰がありますが、それについての説明から入っていきますね

最近の株式市場の動きを一言で表現すると「違和感」、これに尽きると思います。何か特別な好材料が出たという訳ではなく、むしろ景気に対しての不安材料の方が多いように思えます。では、なぜそのような環境下で株価指数は高値を更新しているのか?ということについて。それは「好材料が出ること自体にサプライズ感があるから」であり、つまり現環境で投資家は市場に対して常にマイナスの気持ちを持っているということになります。投資家をこのような考えに陥れているのは、これまでの米中のやり取りであったり景気後退懸念(それを裏付ける経済指標の発表)であったり様々です。話を最初に戻すと、このような多くの外的要因もあり今は金利が著しく低下しているという状況にあり、それは同時に株式などのリスク資産からの資金流出も意味します

   

プロの投資家も騙される?リスク市場への資金集中が景気を崩壊させる!?

私自身、これまでに幾度となく株価の下落を示唆してきましたが、どうもそれ通りには動かなかったため原因はなんだろうと思っていました。確かに、経済指標の速報値を見てみても行ったり来たりの連続で、どこか決定打に欠けているような違和感がありました。ただ、それでもリスク資産の撤退は目に見えて感じていましたし、中長期トレンドの転換に関しては時間の問題であることはおおよそ見当が付いています

そんな中で今回の記事を発見してある種疑問が解消されたような感じがしました。私はこれまで「リスク資産の撤退」を引き金にして中長期トレンド・景気後退が本格化するとばかり考えていたのですが、重要なのはその先にあったようです。つまり、今回の記事を参考にすると債券バブルが崩壊して、再びリスク資産に資金が“流入”してきた時が危険であるということです。実際問題、債券バブルの崩壊は金融商品のピーク(最高値)を意味するという表現は非常に合理的であり、私はその後再びリスク資産への資金流入もあるとの書き方をしましたが、実際にはリスク資産への再流入すら見込めないかもしれないですね

今後、AIやIotなどといった先端技術がさらに普及することで懸念されるのが、既存のビジネスモデルの衰退でありこれもまた株式市場の撤退を促すものとなりそうです。つまり、企業にとって新たに考えなくてはならないのが、新たなビジネスモデル・雇用の創出であり、それが雇用統計をはじめとして経済全体の先行きを明るくするものだろうと考えています。ちなみに、昨日更新した記事で「グリーンラッシュ」「大麻関連銘柄」について書いたものがありますが、この内容こそが新たな事業・雇用の創出を実現した数少ない例になっているのでまだ読んでいない方は是非目を通して見てください

仮に企業が「新たなビジネスモデルの開拓」に成功し、多くの雇用を実現することが出来た場合、それが投資家に与える影響は「ゴールドラッシュ」「仮想通貨バブル」に匹敵するものであると考えることが出来ます。リセッションが起こった後に、債券バブルの崩壊・リスク資産のボラティリティ低下が見込まれますが、それでも投資がなくなることはありません。どこかに資金が集中するはずであり、その1つの例として挙げたのが大麻関連銘柄であり、このバブルを「グリーンラッシュ」と呼びます。たまたまグリーンラッシュに昨日触れたので紹介しましたが、これはあくまで一例に過ぎず、今後さらに注目されるべきビジネスモデルが出現すると思われます

   

プロの投資家直伝の“一生使える株の技術”とは

  

昨日のグリーンラッシュに関する記事でも2銘柄ほどテクニカル分析をしていますが、結果的にはどちらの銘柄もタイミングは良くはありませんでした。仮想通貨バブルの際にも同様のことが言えましたが、どんなに期待できるものであってもエントリー・利確のタイミングは非常に重要になってくることは間違いありません

ファンダメンタルズ分析・テクニカル分析のどちらか一方のみで勝ち続けることは非常に困難であり、強い根拠の元で両者組み合わせて考えていくことも重要になってきます。今後、資金の集中する分野は必ず出てきますが、みんながみんな先行者利益を得られるとは思っていませんし、トレンドが出来上がった後の相場であっても利益を出し続けたいはずです。投資をする根拠はファンダメンタルズ分析で見つけることになりますが、エントリー・利確のタイミングはチャート分析の観点から行うのが最も効果的ですので、中長期投資しかしないという人であったとしてもテクニカル分析の技術を身につける必要があると思っています

コメント

  1. […] […]

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