今後の株式市場の動きは?不透明感がさらに強まり再び乱高下が始まる?

   

今回は2つの記事(ブルームバーグとロイターから1つずつ)を紹介した上で、それに関わる今後の相場環境について考えていきたいと思います。なぜ今回は2つの記事を紹介するのか?それは、“2つの記事には大きな矛盾点が見つかった”からになります。これまで取り上げてきた話題には「指数チャートのテクニカル分析」「金融緩和」「米中貿易摩擦」「景気後退」などといったキーワードが出て来ましたが、今回取り上げる内容のキーワードを挙げるとすれば「安全資産(金・日本円など)」「米中貿易協議」「景気後退懸念」になります。これら2つの記事を読み解き時間をかけて分析していくことで、今後の相場動向についてもある程度の推測が出来るのではないかと思っています

過去1年間くらいの相場変動を振り返ってみると、「トランプ大統領によるアメとムチ」「景気後退懸念」が話題の中心に上げられることが多かったように思えます。その流れには今でも変化はなく、「トランプ砲による相場の乱高下」や「経済指標の数値変動に対する異常なまでの反応」が見られます。最近ではNYダウが最高値を更新したり日経平均株価も高値水準を維持しているなど、外的リスクに相応しくない相場となっているのは事実です。デイトレーダーにとってこのようなことは不必要なのかもしれないですが、今後投資で安定したパフォーマンスを上げるためには中長期トレンド・世界経済の環境をもう一度まとめてみる必要性があると思っています

世界景気が上向く可能性も?それでも投資家にとってはメリットはなし

では、ここから矛盾の起きている記事2つを掲載し、それについての見解を書いていきたいと思います。もちろん、これから書くことが正解ではないですが、相場を考える上ではあらゆる場面の想定が必要になってくるので、一投資家の一意見として読み流してもらって結構です

ニューヨーク外為市場では、ドル指数が3週間ぶりの高水準を付けた。米中追加関税撤廃を巡る不透明感が高まる中でリスク選好度が低下し、安全資産とされるドルに買いが入った。同様に安全資産と見なされる円も買われた。米中は7日、「第1段階」の通商合意の一環として、双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意。ただ、追加関税の段階的撤廃にはホワイトハウス内外から強い反発の声が出ていることも明らかになった。この日はトランプ米大統領が対中関税の撤回には合意していないと表明。開始からすでに1年4カ月が経過している米中貿易戦争がいつ終結するのか、疑念が再燃した。ナットウエスト・マーケッツ(コネチカット州)のG10外為戦略部門責任者、ブライアン・ダインジャーフィールド氏は「関税撤廃を巡る不透明感が根底に存在していることが相場を動かす大きな要因となっている」と指摘。ただ、通商合意に向けた取り組みが続いていることでリスク資産に対する市場心理は当面下支えされるとみられ、「追加関税措置の撤廃に向け何らかの協議が行われていることは歓迎すべきことだ」と述べた。主要6通貨に対するドル指数.DXYは主にドルの対ユーロでの上昇に押し上げられ、一時は3週間ぶりの水準に上昇。終盤の取引では0.2%高の98.362となっている。

引用元:https://jp.reuters.com/article/ny-forex-8-idJPKBN1XI2IA

こちらのはロイター通信から「ドル指数上昇、米中関税撤廃巡る不透明感で安全買い=NY市場」という記事の一部を引用したものになります。まず、こちらの記事で述べられているポイントは「米中追加関税の撤廃はむしろ不透明感を強めた」「米中貿易摩擦の長期化も懸念されている」という2点が主なものとなっています。その結果、安全資産である「米ドル」や「日本円」に買いが入ったとされています。まず1つ目の記事ではこのような内容になっていますが、ブルームバーグによる関連記事ではこれとは全く逆のことが書かれているので、早速見ていきましょう

投資家は今年の大半、貿易戦争と成長減速が最終的には世界経済をリセッション(景気後退)に陥れると考え、金や国債などの安全資産に逃避してきたが、「世界の終わり」を見込むこうした取引が7日、逆噴射に見舞われた。金は一時、1オンス当たり30ドル下落、米国債は夏以降で最大の値下がり、ディフェンシブ株も売られた。米中貿易休戦の兆候がこの動きのきっかけになった。ビスポーク・インベストメント・グループのマクロストラテジスト、ジョージ・ピアクス氏は「夏の終わりごろには債券やイールドカーブがリセッションまっしぐらを示唆していた」が突然、「リセッションにならないばかりか成長が上向くとの見方になった」と指摘した。国債は世界で下落し、10年物米国債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。フランスとベルギーの10年債利回りは数カ月ぶりにプラス圏を回復。世界のマイナス利回り債券残高は約12兆5000億ドル(約1365兆円)に減少した。金相場は7日に1.5%下落。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-08/Q0MQZ9DWX2PU01?srnd=cojp-v2

こちらがその記事になりますが、内容をいくつかのポイントに絞ってまとめると「某ストラテジストによると、リセッション(景気後退)に陥るどころが今後の景気は上向く」というものです。つまり、これまで下落相場へと転換していた投資家にとっては大きな痛手になっている(なるだろう)というものになります。このような形で2つの記事は真っ向から対立する形になっていますが、どちらかが間違っているということはなく、どちらにおいてもある側面から見ると正しい見解になる(事実に基づいている)ということになります。そうは言っても、今後も上昇トレンドが継続するのか、それとも下落トレンドへと転換するのかについては予想をする必要があります

これまでにも書いて来たように、今後の相場を考える上ではあらゆる場面を想定する必要があるということになります。ただ、その中でも「どんな可能性が高いのか」、そのことについては自分自身の考えを持っておく必要はありますよね。仮に自分の仮説が外れてしまった場合には、軌道修正をすれば良いだけの話ですし、何より今後同じミスをしないための勉強だと思ってしまえば何の問題もありません。では、ここからは上に紹介した2つの記事を受けた上での、私個人的な考えを書いていきたいと思います。ここから書くことに少しでも参考になる部分があれば、ぜひブログ購読登録をしたの登録フォームよりお願い致します

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株価指数の上昇は割高感を強めただけ?投資家はさらなる混乱に陥る

   

今後の相場を考える上で欠かせない材料となるのは「最近の材料が出た際の相場の反応」になります。これを考えることで世界の投資家が相場に対してどのような考え方をしているのか、その方向性が見えて来ます。まず、最も強い印象に残っているのは「NYダウの高値更新」「日経平均株価の高値水準の維持」ではないでしょうか?このような高騰があるのにも関わらず、この要因となった材料は決して特別なものとは言えませんでした。「米中貿易摩擦のリスク後退」「ブレグジットに関する懸念後退」「経済指標の数値改善」などになりますが、今振り返って見ても驚くべきものではありませんし、何でこんなに相場を上げたのかは不思議です

「何でこんなに相場を上げたのかは不思議」、この部分が私の答えでもあります。もっと分かりやすく説明すると、今回の好材料については“市場が全く織り込んでいなかったから”です。自分の家の庭に宇宙人がいたらびっくりしますよね?少々大げさな例えではありますが、イメージ的にはこんな感じであり、投資家も今回の好材料を想定していなかったからこその急反発だと思っています。これを裏返すと、市場のコンセンサスは大方下落方向への転換で一致していると思われます

ただ、今後の相場はどうなっていくのか?これが肝心な部分であります。私個人の考えになりますが、結論から言うと「下落方向へ転換する」と思っています。トレンド転換に最も大きな寄与をしているのは、上にあげたものの中では経済指標の数値になると思われます。米中貿易摩擦に関しても、景気の結果を受けて各国の対応が変化してくると思われますし、そういった観点では現場の声が最も市場に与える影響が早く・強いと思われます。今回特に相場を引き上げたと考えられるのは「ISM非製造業景況感指数」になりますが、過去数年分の推移を見ると必ずしも数値改善とは言えないことが分かります。ここ数ヶ月間で数値を大きく下げていたため、たまたま前回を上回っただけかもしれないですし…これについては今後数カ月の数値を見てみなければ分かりません。米中貿易協議の行く末についても、経済指標に関しても今後の景気を占うための材料化するためにはまだ時間がかかることになりそうです。