はじめに

4月15日21時30分に、ニューヨーク連銀製造業景気指数(別名:エンパイアステート指数)の発表が予定されております。FXトレードを行っている方は必ず押さえておきたいものの1つになりますね。重要指標の発表は確実に稼げるチャンスでもありますので、普段はテクニカル分析しかやらないよっていう方であっても確認しておいて損はありません。このような指標発表直前に確認しておきたいことはそれほど多くはないので隙間時間などを有効活用して下さい。このような場合、発表前に押さえておきたいのはこれまでの数値の推移や市場のコンセンサスで、発表後に相場が大きく動くのは市場予想との乖離が大きいことが条件の1つになります。ですので、市場予想がどのようなもので実際の数値が予想に対してどの程度のものなのかについて触れていきたいと思います。


NY連銀製造業景気指数とは

米国の12の地区連邦銀行の一つであるニューヨーク連邦準備銀行が管轄する地区内の製造業約200社を対象に景況感を調査、指数化したもので、フィラデルフィア連銀景況指数の先行指標にもなっている指数。毎月15日に公表される。 
新規受注、雇用状況、出荷などの調査対象項目について「増加または好転」、「同じ」、「減少または悪化」のいずれかを対象企業から回答してもらい当月分の指数と半年後の予測指数値を算出、発表する。 
同指数の分岐点は「0」、景気の見通しをプラス(良好)、マイナス(悪化)で判断する。


引用元:証券用語解説集(野村證券)

長い単語で一見分かりにくそうな印象を受ける方もいるかもしれないですが、頭から順々に紐解いていくと言葉自体は非常に単純です。NY連銀製造業景気指数とは、ニューヨークの製造業経営者200人に対して、新規受注・受注残・入荷状況・在庫・雇用など9項目について、1ヶ月前の比較と6ヶ月後の見通しについて回答してもらって集計するものになります。こちらの指数に関しては用語解説文中にもあるように毎月15日に発表されます。こちらの指標に関わらず、重要指標については発表される日付を把握しておくようにしておくことをオススメします。

ちなみに、アメリカで発表される製造業に関する景況感指数は他にも複数あります。絶対に押さえておきないのは3つあり、ISM製造業景気指数(毎月第1営業日)・フィラデルフィア連銀製造業景気指数(毎月第3木曜日)・ニューヨーク連銀製造業景気指数(毎月15日)になります。

人はあらゆるものを消費して生活しているので、製造業というのは景気の波を直に受けます。ですので、チャートなどではまだ反応がなかったとしても景気変動の風向きの変化をより早くキャッチ出来る指数になっているのではないかと思います。我々消費者からすると普段の生活や情報収集からこのような異変を察知するのは大変困難ですが、経営者の視点から見ると日々の売り上げなどからこのような波の変化に気づくことが出来ますよね。FX投資においてもテクニカル分析しかしませんという方も非常に多いとは思いますが、重要指標発表によってこれまでの相場とは大きく変わった動きをすることも少なくありません。コツコツ稼いだ資金を1回の取引で失わないためにもぜひ確認して下さい。

前回速報値と今回の事前予想数値


まず上の画像をご覧ください。こちらは2019年3月15日のBloomberg(ブルームバーグ)の記事を参照したものになります(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-15/POER0R6JTSEA01)。表を見ても分かるように3月の発表数値:3.7というのは2017年5月以来の低水準であることが分かりますね。

こちらはNYダウの3年チャートになります。大方、製造業景気指数とダウ指数は連動してますね。株価を確認するとNYダウは26000円あたりが天井になっており、そこに達するとこれまでに2度反転下落をしています。今回は3回目のチャレンジになりますが、ここからブレイクアウトを起こして株価の上昇に繋げるためには先月に大きく落とした製造業指数での大幅な上昇が必要になるわけです。

ちなみに2月のニューヨーク製造業指数値は8.8となり、3月の発表前のコンセンサスは10でした。予想に対して大幅な下落となったわけですが、その原因も株価が関係していると思われます。というのも2019年に入ってからNYダウは4000ドルほどの急回復を見せているからです。ただ、先ほども申し上げたように景気変動の影響を最初に受けるのは供給者(今回の場合は製造業者側)になります。株価の高騰を見ると当然景気が良い方向に向かっているだろうと予想することが出来るわけですが、現状は違ったようですね。3月の発表を受けて「景気はそこまでよろしくないのでは?」という疑念も広がっている中での4月分の発表を迎えました。株価も天井付近に達しており、今回の指数発表はトレンドの方向性を定める上でも非常に重要なタイミングであると判断できます。では今回の市場コンセンサスはどのようなものになっているのかを確認します。

今回の市場コンセンサスは「6.7」でした。

コンセンサスベースの話にはなってしまいますが、予想数値がプラスを保っていること・前回速報値よりも高水準にあることを考えると2018年末のような急激な株価・為替変動が起こるとは考えにくいですね。ただ、6.7という数値は決して高いものではなくNYダウが26000円を突き抜けるほどのパワーを持っているかと言われれば残念ながら持っていません。数値は上がりそうだと言ってもトレンドで言えば横ばい水準の範疇にありますね。あくまでこちらの指標はニューヨーク製造業のものであり、第3木曜日にはフィラデルフィア連銀製造業景気指数、さらには翌第1営業日には最も重要なISM製造業景気指数の発表を控えています。ですので、今回の発表はあくまでトレンドの方向性をぼんやりと考える程度で確認しておけば良いということになります。

ドル円のテクニカル分析

ここまでの記事を読んでいただければ、製造業景気指数の概要については理解していただけたかと思います。株式投資・FXの両面において今後のトレンドを考える材料にはなり得ます。最後にドル円チャートのテクニカル分析をして今回は終わりにしようと思います。

こちらは米ドル/円の6ヶ月チャートになります。ラインは全て私がオリジナルで加えたものになります。実際にチャートを分析すると全然悪くないと思ったんです。むしろ、今後のトレンドはさらに円安方向に向かうのではないかと考えています。

まず初めに注目していただきたいのは赤線になります。年末年始の急激な下落後には徐々に回復してきたものの、赤線は間違いなく強力なレジスタンスラインとして機能していました。ですがほんの数日前にこのラインを突き抜けていることが分かります。中期的に見た現在のサポートラインはオレンジの実線で表示しています。今のトレンドを維持する限り、どんなに下げても110.5円でありこのラインを割り込むと再び下落トレンドに転じる可能性が大きいと判断しました。オレンジの点線は、オレンジ色の実線(中期的なサポートライン)と平行に引いたものです。つまり、中期的なトレンド幅は2本のオレンジで形成されていると考えてください。つまり、中期的なレジスタンスラインであった赤線を突き抜けましたが、急激な円安を引き起こすというわけではありません。110.5〜113円の範囲内の推移を継続しながら、上か下のブレイク時までの継続が見込めます。青の点線ですが、短期的なトレンドを判断する材料としてぼんやりと確認してくれれば大丈夫です。チャートが青線の上を推移している間は買い気配、反対に下を推移している間は売り気配なんだと思ってくれれば大丈夫です。

今回紹介した製造業景気指数についてもそれほどコンセンサスとの大きな乖離があるとも思えません。というのもチャートを見る限り中期的なトレンドは良い方向へ向かっているからです。なので前回の3.7という数値よりは高い数値に落ち着くのではないかと思います。かと言ってコンセンサスよりも大幅に良い数値が出るとも思えません。チャートでも天井が明確になりつつあること、株価チャートも26000円付近にもたついていることがこの理由です。

何れにしても今夜になれば結果が分かりますが、今回の発表によって大幅な為替変動・株価変動は起こりづらいと考えています。今後の方向性を占うという意味では有効な指標になりますが、あくまでテクニカル分析をした結果をメインに考えていただけるとありがたいです。

以上。