参考書を読み漁っている投資家は破産する!?

チャールズ・ダウ(1851年~1902年)はアメリカが西部開拓に沸いた19世紀後半に活躍した金融ジャーナリストです。米国において初めて体系的なチャート分析理論を構築した人物として知られ、金融専門紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』を創刊し、1896年にはダウ・ジョーンズ工業株平均株価を開発しました。彼が構築した「ダウ理論」は株価だけでなくFXの値動きにも十分通用するものなので、6つの理論を株ではなく為替レートに置き換えて概観しましょう。

引用元:https://www.gaitameonline.com/academy_chart11.jsp

なんとなくお金を稼ぎたいと思って投資を始めた方は非常に多いと思います。今ではネット証券が大きく普及しており、その手数料の安さや利便性も魅力的ですよね。ここで1つ質問ですが、株式投資・FXを始めようと思ったらまず初めに何をするでしょうか?多くの人がこの段階において参考書やインターネットを用いて投資の勉強をするのではないかと思います。投資を始めるためには証券口座の開設や入金、取引方法などやらなくてはならないことは複数ありますが、その流れの中に投資の勉強は必ず含まれるはずです。これはごくごく普通の流れですが、投資の勉強をすると投資手法は主に2つのものがあることを知るはずで、それはテクニカル分析とファンダメンタルズ分析です

これら2つの内、より多くのトレーダーが用いているのはテクニカル分析だと思います。まず一言で説明すると、テクニカル分析とは指標などを用いたチャート分析であり、ファンダメンタルズ分析とは決算や事業内容などといった企業分析をした上で投資をする方法になります。では、なぜ今はテクニカル分析を使っている人が多いのか?答えは簡単で、それは“デイトレーダーなどの短期取引で利益を出そうとする投資家が増えているから”です

一昔前までであれば(私は当時を知りませんが…)、株式投資と言えば配当金がもらえるといったイメージが今よりも強かったかもしれません。それに対して、今は投資=稼げるというイメージであり、その理想像はネット証券の普及とともにあると思います。この認識は間違っているものではなく、そして私もテクニカル分析を中心としているのでこれらを批判するつもりもありません。ただ、株式投資の本に載っているテクニカル分析の知識だけでは圧倒的に足りないと感じ、今回は投資を初めて間もない方・テクニカル分析をより正確に行いたい方に対して、正しいテクニカル分析の方法を解説していきたいと思います。この記事のURLはぜひ保存していただき、本当に理解できるまで何度も読み直していただければ、確実に勝率は上がります

私はよく知人・友人に株式投資について聞かれることが多いのですが、その度に言っているのが「本は投資で勝つためのツールではなく、基本を抑えるためのツール」であるということです。これをバスケットボールで例えるならば、「本は試合に勝つためのツールではなく、ルールブック」であるということです。本を読めばバスケットボールのルール(トラベリングやシュートの名前など)を理解することが出来ますが、それだけでは試合に勝つことは不可能です。投資についても同じで、本を読む目的はせいぜい証券口座の開設方法・ローソク足の種類・指標の名前などを理解することであり、投資で勝つことではありません。実際に勝てるようになるためには、本から得た基本原則・ルールを理解した上で、本物の相場に触れて試行錯誤をする必要性がありますよね

私もこれまでに数十〜100冊近い投資関連書籍に目を通してきましたが、正直言って内容は五十歩百歩で大差はありませんでした。むしろ、書籍に載っている内容だけを参考にしてトレードしている人が世の中にたくさんいると考えただけでもゾッとしてしまうレベルなので注意しましょう。余談が非常に長くなってしまいましたが、ここからテクニカル分析でまず初めに押さえておきたいポイントについて解説していきます。先ほども書きましたが、今回解説する内容をマスターしていただければチャートの見方は大きく変わってくると思いますので何度も読み直してください

   

ダウ理論をマスターすればチャートの見え方が激変する!

今回は、テクニカル分析の中でも最も重要だと考えられている「ダウ理論」についての説明と、実際のチャートを使っての解説(バックテスト)を行っていきたいと思います。また、ダウ理論に加えて、オシレーター指標のRSIとの組み合わせについても順を追って解説していく予定です。ダウ理論という言葉の説明については記事冒頭部に引用してある箇所を読んでいただければと思います

一方向にのみ動き市場は存在しません。市場は必ず上下に変動します。それゆえ市場のトレンドを読むことは常に困難を伴います。しかしダウは、市場が絶えず上下に変動する性質を持っていても、一定のトレンドが存在すると考えました。このトレンドを見極める上で重要なポイントは、高値/安値が、その前の高値/安値よりも上の水準にあるか、それとも下の水準にあるかを把握することです。例えば、上昇トレンドを形成している時、高値がその前の高値よりも切り下がる場合、下落トレンドの転換シグナルの可能性があります。トレンドの種類、段階、公開情報、相関関係そしてトレンド転換シグナルをすべて取り入れたダウ理論は、テクニカル分析の根幹を成すと言えるでしょう。トレーダーがダウ理論の理解を深めることで、取引パフォーマンスを向上させていくことができるでしょう。

引用元:https://www.ig.com/jp/trading-strategies/dow-theory-explained–what-is-it-and-what-are-its-principles-181206

詳細については引用部分の末尾に貼り付けてあるリンクからお読みいただきたいのですが、その中から引用しているのはダウ理論の中でも最も重要であると考えられる「トレンドの定義」についてです。これまで、チャートを見て「右肩上がりだから上昇トレンドだ」「そんなに動いていないからトレンドは存在しないだろう」と、なんとなくの主観でトレンドを把握していた人も多い方と思います。しかし、それは大きな誤りどころが大きな損失に繋がりかねないので、今回を機にしっかりとトレンドの本質を学んでいただければと思います

上の引用部分を読んでみると「高値が前回高値を切り上げており、また安値が前回安値を切り上げていることでトレンドの継続を確認できる」といった趣旨の内容が書いてあります。トレンド転換のサインの1つとして「トレンドラインの割り込み」がありますが、「トレンドラインを割り込んだから逆張りでエントリーしたのに負けた」「自分がエントリーする時に限って反対方向に動く」といった経験はないでしょうか?それは正確にトレンドを把握することが出来ていないサインであり、チャートには多くの投資家が“意識している”ポイントがありますので、その点についてもこの場で解消していきましょう。ここからは実際のチャートを使って解説していきたいと思います

今回の記事では米ドル円(USD/JPY)の1時間足チャートを使っていきます。まず初めに、先ほども軽く触れた「トレンドラインを割り込んだところで逆張りパターン」について書きますが、もうお分かりの通りこのエントリー方法はほとんど根拠のない間違った方法であるということを認識してください。チャートの左部分は誰が見ても上昇傾向にあり、その下値を支えている点を繋ぎトレンドラインとして引いたのが黄色のラインになります。画面中央付近でチャートはラインを割り込んでおり、ここでエントリーする人のパターンは以下の2つ「割り込んだ瞬間に逆張り」「割り込んだチャートが一度反発して、下からラインにタッチしたところでエントリー」のどちらかになるかと思います。結論から申し上げるとどちらも間違いです

間違いというよりも、ダウ理論に基づくと「まだ上昇トレンドが終了していない状態」なんですよね。先ほどの説明をふりかえってほしいのですが、上昇トレンドの定義は「高値/安値が前回の高値/安値を切り上げている状態」であり、またダウ理論の基本原則には「明確な転換シグナルが発生するまではトレンドが継続する」というものがあります。これを踏まえると、上のようにトレンドラインをサインにして逆張りする行為がいかに危険であるかを認識できるかと思います

次にこちらの画像をご確認ください。チャートの左側の部分は細かい値動きがあったものの、この時は高値/安値の切り上げがしっかり行われていたので今回はスキップして、ざっくりとしたトレンドを追っていきたいと思います。それを表しているのが黄緑色のラインになります。ダウ理論の基本原則にも定義されている“明確なシグナル”というのは「押し安値(この後に説明)」を割り込むことです。上の画像で言うと赤丸で囲まれている部分になります。つまり、チャート中央部から右側にかけて横ばいトレンドにも見える部分はまだ買い圧力が優勢であるということになります。実際に米ドル円チャートでは明確な転換シグナルが出ているので、この後は下落トレンドに移行するはずですのでぜひご確認ください。では先ほど出てきた「押し安値」と「単なる安値」の違いについて説明していきたいと思います。ちなみに、単なる安値を割り込んでもトレンド転換のサインにはならないのでご注意ください

ダウ理論に基づいて上昇トレンドが形成された際にできる安値を指します。アップトレンド形成時に、トレンドの節目として意識される安値部分となります。高値と安値が連続して切り上がり、上昇トレンドが発生した際の値上がりの流れの起点となった安値が「押し安値」となります。

引用元:https://fxxy.org/958.html

この引用部分に書いてある説明が一応「押し安値」の説明になるのですが、意味を知っている私でさえちょっと分かりにくいと思ってしまいましたので…実際にここでもチャートを使って説明していきたいと思います

ここで2枚のチャートを貼り付けましたのでご確認ください。と言っても、2つともチャート自体は全く同じものになりますが、注目していただきたいのは色(水色・青・オレンジ)の付いた3つの長方形部分になります。1つは「上昇トレンドの継続を確認できるもの」・もう1つは「上昇トレンドの継続を確認できないもの」になります。結論を先に言うと、1枚目のチャートが上昇トレンドの継続を確認できるもの(押し安値)であり、2枚目のものが上昇トレンドの継続を確認できないもの(単なる安値)になります

まず初めに3色の色分けについて。オレンジ色が新しい高値・水色が前回高値・青色が安値(押し安値もしくは単なる安値)になります。ダウ理論によるトレンドの定義は「高値/安値が前回のそれを切り上げる必要がある」ので、上昇トレンドの継続を確認するにはオレンジ色部分が水色部分の水準を突き抜けることでトレンドの継続を確認することが出来るというわけです。それを踏まえて2枚の画像を見比べてみてください。1枚目はオレンジ色で示した高値が水色のそれを突き抜けているのに対して、2枚目では突き抜けていないですよね?

ここで本題である「押し安値」の話題に戻りたいと思います。1枚目の画像のように上昇トレンドの継続を確認できた場合に、高値(この場合はオレンジ)を付ける起点となった安値(この場合は青)が押し安値となります。つまり、前回高値を突き抜ける動きが見られなければ、安値は単なる安値という肩書きしか得られないことになります。このような流れで「単なる安値→押し安値」へと役割転換した時に重要なポジションを与えられることになります。プロの投資家は単なる安値の割り込みはトレンド転換のサインとしては考えませんが、押し安値の割り込みは明確な転換シグナルとして捉えます。重要なことなので繰り返すと、「押し安値の割り込み」が明確な転換シグナルになります

   

ダウ理論+RSIはテクニカル分析史上で最強の組み合わせ?

なにやら大げさな見出しを付けてしまいましたが…。ダウ理論はある程度理解できたかと思いますが、「じゃあいつになったら押し安値を割り込むの?」と悩んでしまう方もいるかもしれませんね。答えは「いつか」と言いたいところですが、それでは締まらないのでトレンド転換の兆候になるポイントを1つだけ紹介していきたいと思います

オシレーターの逆行現象のことをダイバージェンスと呼びます。ローソク足の高値が切り上がっている上昇トレンドなのに、オシレーターの高値は切り下がっているケースが該当します。またローソク足の安値が切り下がっているのに、オシレーターの安値が切り上がっている場合もダイバージェンスです。 株価等が下落局面にある場合に生じるものを「強気のダイバージェンス」といい、反対に上昇局面において生じるものを「弱気のダイバージェンス」といいます。

引用元:https://kabu.com/glossary/1206089_3151.html

こちらで紹介するのは、上の引用部分を見てもらえれば書いてありますが「ダイバージェンス」になります。こちらはチャートとオシレーター指標の間に逆行現象というある種の“矛盾”になります。こちらについても言葉でいくら説明しても分かりにくい部分があるのでチャートを使って簡単に説明していきたいと思います。ちなみに、これを見る際に私が使っているオシレーター指標はRSIになります。中にはMACDを使っている投資家の方もいるみたいですが、そちらに関しても個人差があるので使いやすいものを見つけると良いですね

こちらは米ドル円(USD/JPY)の30分足チャートになります。チャート内部に引かれている黄色のラインは押し安値水準であり、これを割り込んだ後にトレンドは大きく下落方向に転換しているのが確認できますよね。また、チャート下部に表示してあるピンクの波がRSI(相対力指数)になります。そして、今回のポイントであるダイバージェンスのサイン黄緑色の矢印で示してあります

2箇所の矢印部分を比較してみると、チャートの高値は切り上げられているのに対してRSIの高値は切り下げられていることが分かります。トレーダーの中にはダイバージェンスが発生した時点で逆張りをする方も多いと思いますが、より正確なエントリーポイントを探るのであればこの時ではありません。というのも、ダイバージェンスが発生している時には高値を切り上げている状態であるため「上昇トレンドの継続」と考えるのが自然です。しかし、ダイバージェンスが発生しているということは近いうちにトレンド転換が発生することを示唆していますよね。つまり、この段階においては「押し安値水準をそろそろ割り込むのではないか?」と準備をしており、その後実際に割り込んだ時に明確なトレンド転換であると判断するのが良いかと思います

ということで今回の記事は以上になりますが、いかかでしたか?約6500文字という長めの記事になってしまったので、最後まで読んでいただけた方は少しだけ疲れたかと思います。しかし、この記事は今後のトレード生活で必ず役に立つものと思われますので何度も読み返してマスターしてください。もちろん、質問はTwitterやこちらのブログでも受け付けているので何なりとお申し付けください

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