炭鉱のカナリアはさらにもう1羽鳴き止むか?景気後退は確実に前進している?

以前、「景気後退を知らせるサインとして“炭鉱のカナリア”というものがあり、その1つが長短金利の逆転(逆イールドカーブの発生)で…」といった内容の記事を書いたかと思います。ブルームバーグにてちょうどそれに大きく関わる記事が更新されていたので、今回はその記事を取り上げ景気後退についてもう少し掘り下げて考えていきたいと思います。参考にする記事のタイトルは『米労働市場の「カナリア」、先行きの悪化を鳴いて知らせる』となっています。以前炭鉱のカナリアを取り上げた際の焦点は米国で逆イールドが発生したこと、つまり長期金利と短期金利が逆転したことでしたが、今回の内容は異なります。というもの、炭鉱のカナリアが鳴き止む要因は4つあり、逆イールド化はそのうちの1つに過ぎないからです

米雇用市場の変調をいち早く察知する「カナリア」の鳴き声が聞こえ始めている。失業率がほぼ半世紀ぶりの低水準にとどまっているにもかかわらず、臨時職の採用と週労働時間という2つの重要指標は今年に入って減少している。この軟化は大きな意味を持つ可能性がある。「炭鉱のカナリア」と同様に、全体的な雇用市場の弱さを予見することが多いためだ。6日発表の米雇用統計では安定した非農業部門雇用者の増加が見込まれているが、エコノミストらはこの2つの数字に注目している。需要の下振れを心配する企業は、正社員を解雇する前にまず、労働時間と臨時採用の職員を減らすからだ。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-05/PXD2OV6K50XV01?srnd=cojp-v2

「失業率」の指数発表が今後のカギになる!?

先ほどのニュース記事を読んでいただくと、「失業率」「臨時職の採用」「週労働時間」という3つの関連ワードがあることに気がつくと思いますが、そもそも失業率とは?臨時職の採用とは?また、それら数値の変動が市場に与える影響としてはどのようなものが考えられるかというところを考えなくてはなりません。記事では「失業率は低水準にとどまっているのにもかかわらず、臨時職の採用と週労働時間という2つの重要指標は今年に入って減少している」といった表現がされていますが、これだけを見ると“失業率”の部分は市場にとって良い影響が、“臨時職の採用と週労働時間”の部分は悪い影響が働いているんだな〜というイメージは湧くかと思います。実際に、良い影響・悪い影響が混在している現状の分析をしていきたいと思います

そもそも“失業率”と一言で言っても日米間ではそれが表す定義に違いが生じています。まず、日本の場合の失業率の定義は「過去1週間の間に求職活動を行った者・求職活動の結果待ちをしている者」になり、例えば「過去2週間〜4週間の間に求職活動を行った者・就業内定者」に関しては“非労働人口”と定義されることになります。一方で米国の場合の失業者の定義は「過去1週間の間に求職活動を行った者・過去2〜4週間の間に求職活動を行った者」で、「求職活動の結果待ちをしている者・就業内定者」に関しては非労働人口として定義されることになります

米国での失業率の低下・臨時職採用・週労働時間の減少、これらを総合すると一見矛盾にも見えますが、実は景気後退に近づいている状況が伺えます。生産活動・需要が下向き始めている現状(経済が停滞気味)を考えると、臨時職採用・週労働時間が減少していることについては説明がつきます。それは一言で言うと“必要性がないから”です。需要がない今は臨時職を採用する必要もなくむしろ削減傾向に動いていることが分かります。また、生産活動が減少しているため必然的に週労働時間も減少することに納得することが出来るのではないでしょうか?では次に何が起こるか?

「臨時職は必要ない」「週労働時間をそこまで必要としない」ことが表面化してきた次に削減するものは…既に予想できているかもしれないですが“人員(正規雇用)”になります。つまり、失業率が低下していないことを好感するのではなく、これはむしろ天井付近で推移していることの裏返しになるということです。景気後退懸念の裏付けとして今では様々な外的問題が勃発していますが、この要素が1つ追加されることで“炭鉱のカナリア”がまた一羽鳴き止むことになります

炭鉱のカナリアは基本的に“4羽”いるとされますが、この内「長短金利の逆転」は既に達成されています。これに加えて今後注目しなくてはならない経済指標は「失業率」になります。こちらは今では低い水準を保っているものの、近い将来にかなり高い確率で上昇すると個人的には考えています。失業率は消費者の生活に直結する指標となるため、企業活動だけでなく消費活動・経済全体にも非常に大きな影響を与えると予想することができます

失業率に関してはその数値が定期的に発表されますし、私個人の考えでは非常に高い確率で悪い方向へ進むと考えているので都度記事を更新していきたいと思っています。それがさらにリスク市場からの資金流出や円高を進行させることになり、相場は大きく荒れるのではないでしょうか?何れにしても、何度も申し上げているように「今の相場は危ない」と言うことです。特にこれだけ懸念材料があっても株価が高い水準を保っている状態が危険ですので、今後は相場の様子を伺う時間を設けるのが良いのではないでしょうか?

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