リスクオフの流れが強まり円高が加速化する!?

2019年に入ってからの円の独歩高がついに、ヘッジファンド運用者の関心を捉えた。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドなど投機家が円にここまで強気になったのは16年11月以来。今月に入って間もない時期までは1年余りにわたり円をショート(売り持ち)にしていたが、米中貿易摩擦で世界の経済成長を巡る懸念に拍車が掛かると、円の見通しを徐々に明るくしていった。円は今年に入り全てのG10通貨に対して値上がりしており、「不安定な」リスク見通しを踏まえると今後も上げ続ける見通しだと、シティグループが指摘した。シティのG10通貨戦略責任者カルビン・シー氏(北米担当)は、「円はG10で群を抜いて最高の安全資産通貨だ」と指摘。「現在の状況では、円のリスクは上昇の方向に大きく傾斜していると引き続き考えている」と述べた。円の対ドルでの年初来上昇率は約3%と、G10通貨の中で最高。債券市場が世界経済に警戒シグナルを発した先週は1ドル=105円05銭と、年初来高値近くまで円高が進んだ。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-20/PWIEJB6S972801?srnd=cojp-v2

上記に示したニュース記事にも書いてあるように、また日頃から株式投資やFX投資を行っているトレーダーにとっては身近なものであるように、最近では為替水準が円高傾向にあることは結果として現れていますね。なぜ円高に触れているのか、その理由については様々なものが考えられますが、代表的なものをいくつか挙げるとするならば米中貿易摩擦・景気後退懸念に対するリスク資産からの資金流出などといったところではないでしょうか?

「日本円」と「スイスフラン」については安全資産の代表格として考えられており、市場に悪影響を及ぼすような材料が出された際にはこれらの通貨が買われる傾向にあります(円高・スイスフラン高誘導)。一昔前までは、“有事のドル買い”という言葉が示すように何かあれば安全だと考えられていた米ドルを買う傾向にありましたが、既にその時代は過ぎ去ったと考えるべきであり今ではその役割を日本円・スイスフランが果たしているということになります。話は変わりますがここで米ドル円のチャートを見ていきたいと思います

参照:Trading View

景気後退懸念が強まったり米中貿易摩擦が長引いたりと、為替市場にとっても株式市場にとっても不安定な状態が継続していることも影響して円高傾向にありますね。つまり、トランプ大統領の発言や度重なる米中間の駆け引きはあるものの、基本的には今後の動きを想定しやすい相場ではあると思うので、円高進行についてはもちろん今後の価格推移についてもある程度投資家の皆様は予想がついているのではないでしょうか?

   

アジアに異変?円高加速にさらなる追い風が!?

アジアが債務危機に見舞われてから20年余りたった今、危機再来の「不吉」な兆候が見られると、グローバルコンサルティング会社マッキンゼーが警告している。(中略)。マッキンゼーはアジア太平洋11カ国・地域の企業2万3000社余りのバランスシートを調査し、これら大半の国・地域で企業が債務返済上の「大きなストレス」に直面している現状を把握。中国やインドなどではこうした圧力が2007年以降高まってきたが、米国や英国では急速に低下しているという。今回の分析では、インタレスト・カバレッジ・レシオが1.5倍未満の企業が保有する長期債務の割合に注目。この水準では、企業は利益の大部分を債務返済に充てているという。17年に中国、インド、インドネシアでは、長期債務の25%超をこうした企業が抱えていた。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-20/PWIS336KLVR501?srnd=cojp-v2

このような記事が出ると、投資家の皆様はおそらく敏感になっていると思われるので「米ドル・英ポンドへの安心感に繋がるのではないか?」「アジア通貨安が進行するのではないか?」と考えてしまうのではないでしょうか?しかし、ここで考えて欲しいのは「果たしてこの材料が市場に与える影響は大きいのか?」ということになります。というのも、現在では米中貿易摩擦・景気後退懸念・北朝鮮問題など市場から大きな注目を集めているものが非常に多いからです。もちろん、投資をする上では金利が非常に重要な役割を果たしており、そのように考えると各国の債務状況・デフォルトリスクについては避けられませんが、それでも私はこれが与える影響は非常に小さいと考えています

これまでにも複数回に渡って触れてきたことをもう一度振り返りますが、市場は投資家心理・群集心理に成り立っている部分が大きく、重要度が高ければ高いほど市場に与える影響も大きいです。例えば、経済指標発表についても同様のことが言えます。重要度の低い指標については影響が限定的であり、雇用統計など世界が注目するようなものについては影響力が絶大です。これと同様に今では市場を揺るがす問題が数多く存在している状況下にありますので、今回取り上げたものについてはその内容を理解するに留めるので十分であり、投資環境への影響については重要視するポイントではないような気がします

   

ブログ購読登録はこちらから

1,914人の購読者に加わりましょう