金利と株価の関係は?

まず、基本的に世間で言われている「金利と株価」の関係構図としては反比例の関係になります。つまり、金利が上がると株価は下がり、金利が下がると株価が上がるというのが基本原則になります(教科書的に言うと)

最近では「利上げ」「利下げ」という言葉を頻繁に耳にしていますが、直近米国で行われるのではないかと言われているのは“利下げ”になります。基本原則に従うと、株式市場にとっては嬉しいニュースかと思われるかもしれないですが実はそうではありません。今回の記事では、“投資家心理”を含めた金利と株価の関係・利下げがなぜ株価にとっては良い影響を与えるとは断言出来ないのかというその理由について書いていきたいと思います

   

利下げに対する機関投資家の見解は?

近ごろは株式の強気派を見つけるのが難しい。だが、ゴールドマン・サックス・グループは今年の利下げはあと1回だけだと予測、大半の見方とは逆に景気見通しを楽観する。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのグローバル・ポートフォリオ・ソリューションズ・グループでエグゼクティブディレクターを務めるデービッド・コプシー氏は「これが景気サイクルの終わりだとの見方にくみさない」と言明。「われわれのメインシナリオは高水準にあった経済成長が鈍化を続けるものの、今年下期はトレンド付近の成長を維持し、リセッションリスクは低いというものだ。これが正しければ、コアインフレは徐々に上昇を続けると考えている」と語った。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-18/PWC9W0SYF01S01?srnd=cojp-v2

こちらは大手投資銀行のゴールドマン・サックス証券による利下げ見通しになりますが、このニュースの最初の数行を読んで“あれ?”と思った方もいるのではないでしょうか?もちろん、何度読み直しても違和感ない方もいるとは思いますが、内容についてはこれから解説していくのでこの段階では分からなくても構いません

ちなみに、この中で違和感を覚えるとすれば「ゴールドマン・サックス・グループは今年の利下げはあと1回だけだと予測、大半の見方とは逆に景気見通しを楽観する」という部分になります。基本原則に従うと“金利と株価は逆行する”はずなのに、こちらの表現では“利下げはあと1回だけだと予測、景気を楽観視”となっています。ちなみに、ゴールドマン・サックスの運用部門は現状で国債よりも株式を好む傾向にあり、今後の株価見通しについても景気同様に楽観視していることが分かりますね。なのになぜ“あと1回だけ”の利下げに好感を持っているのかということです。ここが教科書には載っていないポイントなので、この記事でしっかりと理解して今後に役立てていただければと思います

   

過去には利下げで株価が大暴落している!?

アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は7月31日、政策金利を0.25%引き下げることを発表した。利下げは、リーマン・ショック直後の2008年12月以来、およそ10年半ぶり。FRB・パウエル議長は、「(利下げは)世界経済の成長鈍化や、貿易摩擦による景気減速リスクに対処するためだ」と述べた。FRBのパウエル議長は、景気のリスクに対する予防策として、政策金利を0.25%引き下げ、2%から2.25%の範囲にすると発表した。アメリカ経済は、失業率が49年ぶりの水準に改善し、株価が最高値の水準で推移するなど好調だが、中国との貿易摩擦が長期化し、景気の先行きは不透明感が増している。トランプ大統領はツイッターに「いつも通りパウエル議長は、われわれをがっかりさせた」と投稿し、パウエル議長が今後の追加利下げを確約しなかったことに失望感を示した。ニューヨーク株式市場も追加利下げへの期待感後退から、ダウ平均株価は一時、470ドル以上値を下げる場面もあった。

引用元:https://www.fnn.jp/posts/00421735CX/201908010611_CX_CX

こちらは2019年8月1日に出されたニュースになりますが、この際には利下げ発表と共にNYダウ指数は大きく下げ多くの株価下落を招いています。これもまた金利と株価の“基本原則”には当てはまらないということになりますよね。では、本題に戻りますが結論を申し上げると、先ほどの違和感の正体は利下げの“回数”にあるんです。ゴールドマン・サックス・グループは「利下げはあと1回と予測したことを基に今後の景気に対して楽観視している」のですが、利下げ回数が“あと1回”だから景気に対して楽観視出来るわけで、これがもし“2回”や“3回”であれば基本原則とは逆に楽観視出来ないわけです。その理由をこれから解説していきます

一番怖いのは今後の利下げ回数が分からない状態

見出しに書いたことは置いといて、まずは個人・会社という2つの側面から金利について考えていきたいと思います。こちらのブログの読者様は個人投資家の方が非常に多いと思いますので、個人から見た金利については感覚的にも馴染みのあるものではないかと思います

では早速ですが、個人から見た金利について。金利が下がると銀行に預けていてもお金が増えないので、よりリターンの高い市場(株式市場など)へ資金を投入する傾向にあります。これが基本的に利下げが株価上昇を引き起こす例になりますが、とはいえ個人投資家が市場に引き起こす影響よりも当然機関投資家・企業の動きが与えるものの方が大きいので、続いてそちらを解説していきますね

企業から見た金利について。金利が低くなれば設備投資に伴う資金借り入れを行っても返済する利息が低くするので、そのような意味においてお金の流れが活発になる傾向にあります。企業活動活発化の結果、業績向上・雇用拡大・従業員の給与アップなどに繋がり、個人の消費活動の活性化にも繋がると考えられます

しかし、利下げが今後2回行われるとしたらどうでしょうか?企業としてはより安い利息で資金を借りたいと考えるのが普通なので1回目の利下げは良い影響はないどころか、利下げというのは景気停滞を示唆してしまうことになるので通貨安・株安を同時に引き起こしてしまうリスクがあるということです。ゴールドマン・サックスが利下げは残り1回であることに対して楽観視していたというのは、それが上記の例で言うと企業活動の活発化に繋がる利下げであると考えているからではないでしょうか。残り2回の利下げを予想していることになると、今回の利下げは1回目にあたるので通貨安・株安を引き起こす原因になり、機関投資家にとってもリスクを背負ってお金を回す理由にはならないということです

   

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